器楽(ピアノ)の授業に対する、学生の学習意欲について
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概要
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ピアノの授業に対する学習効果をあげるためには、技術的な指導法の探求と同様に、学生の学習意欲の向上を図ることも大切な要因のひとつではないかと考える。特に履修期間内に修得できない学生の場合、ピアノの上達の妨げになっていると思われる点は、技術的な課題に加えて学習意欲の有無が推察される。そこで本研究は、ピアノの授業に対する学習意欲についての調査を行い、その要因を検証することで、より効率的な授業内容に繋げたいと考えた。ピアノの授業に対する学習意欲を「心理的要因」と「外的要因」に分け、アンケート調査を行った結果、次の3点が分かった。(1)未修得者は修得者と比較して、「心理的要因」のほとんどの項目において学習意欲が低く「外的要因」においては、「学習内容の理解度」や「練習時間」の不足に問題があった。(2)本学の学生は、「学ぶ楽しさ」や「知的好奇心」および「自発性」「目標性」についての学習意欲は高いが、難しい課題に対する「挑戦力」「達成力」については、学習意欲が低い。(3)ピアノ経験者と初心者では、「学ぶ楽しさ」以外の項目では、学習意欲にそれはどの差はみられない。今回の調査結果をふまえて、授業内容の充実を図り、学習の能率があがるより良い環境作りを具体的に検討し、学生の学習意欲の向上に繋げたい。
- 九州女子大学・九州女子短期大学の論文