ウンシュウミカン樹における春肥の施用時期が樹体の窒素吸収に及ぼす影響(土壌管理・施肥・灌水)
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概要
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ウンシュウミカン樹において春肥施用時期の月間差が樹体による施肥窒素の吸収・移行特性に及ぼす影響を明らかにするため,^<15>Nトレーサー法を用いて圃場試験とポット試験を行った.春肥窒素は3月1日,4月1日,5月1日に施用した.圃場試験における春肥窒素施用後の樹体による吸収速度は,5月区≧4月区>3月区の順であった.旧葉の^<15>N寄与率は,3月区と4月区は類似した増減を示し,施用後から5月上旬まで急速に増加し,5月下旬から漸減した.5月区は両者に比べて常に低く推移した.新葉,果実など春季新生器官における^<15>N寄与率は,5月上旬〜6月上旬までの間は3月区と4月区が5月区より明らかに高かった.しかし,6月下旬以降になると5月区が最も高くなり,次いで4月区,3月区の順で推移した.一方,12月上旬に解体したポット樹による春肥窒素の利用率は,3月区が31.5%,4月区で34.6%,5月区は37.1%であった.以上のことから,施肥効率向上のために,春肥の施用時期は萌芽期直前の4月上旬頃が適していると判断された.
- 2009-01-15