「やもめ」:キリスト教福祉の萌芽
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
使途の働き6章で、ヘレニストたちは、やもめたちの配給のことで苦情を申し立てた。初期のキリスト教会にはやもめのための福祉制度があった。やもめ、孤児、在留異国人に十分に敬意を払うという聖書の伝統に起源を辿ることができる。二つの伝統の流れをテモテへの手紙第一5:3-16のやもめについての指示に認めることができる。一つは、社会正義を強調する聖書的伝統である。もう一つは、十戒の第五戒「父と母とを敬え」である。「兄弟」という表現からわかるように、キリスト教会は自らを疑似家族とみなしてきた。パウロはテモテに年配者は父、母として、若い男女は兄弟姉妹として敬うように指示している。そういう意味で、真のやもめを敬うように、とのパウロの指示は第五戒の延長線上にある。やもめのための制度の内実が如何なるものであったか詳細は、不明である。
著者
関連論文
- 「やもめ」:キリスト教福祉の萌芽
- カイ・グノーセスセ・テーン・アレーセイアン、カイ・ヘー・アレーセイア・エレウセローセイ・ヒューマス
- 図書館とは・・・・歴史(古代篇)
- Mark Resoner,Romans in Full Circle:A History of Interpretation(Louisville,Kentucky:Westminster John knox Press,2005)
- キリスト教ファンタジー ナルニアの魅力
- [日本新約学会]第45回大会研究発表要旨 パウロ書簡の議論の流れに見る小辞γαρの用法について
- 書評 Ben Witherington 3 with Darlene Hyatt, Paul's Letter to the Romans: A Socio-Rhetorical Commentary (Grand Rapids/ Cambridge: Eerdmans, 2004)
- 「全イスラエルが救われる」とは? (〔日本新約学会〕第42回大会研究発表要旨)
- 聖書、どう読み、どう語るか。 : 聖書解釈学入門
- 『新約聖書と神の民』(キリスト教起源と神に関する問い)(二)
- 『新約聖書と神の民』(キリスト教起源と神に関する問い)(一)
- 「子を産むことによって救われる」とは : テモテヘの手紙第一2章15節の釈義をめぐって
- パウロのハバクク書二章四節解釈 : キリスト論的解釈の可能性をめぐって
- パウロの創世記一五章六節解釈 : ガラテヤ人への手紙三章の文脈をめぐって
- 宗教多元主義と新約聖書 : 新約学者の視点より (宗教多元主義)
- 新約ギリシャ語中級文法試(私)論(2) : 動詞の時制とアスペクト(1)
- 新約ギリシャ語中級文法試(私)論(1) : デイナ=マンティとポーター
- 新約学とは何か : キリスト教世界観と異文化理解 (キリスト教世界観と異文化理解)
- 山上の説教の理解をめぐって
- 二資料説は共観福音書問題を解決したか
- 共観福音書と「ダビデの子」