口腔顔面痛のエビデンスを探るその診断と治療 : 口腔心身症-歯科領域でよくある精神障害
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概要
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歯科領域では口腔顔面痛は避けて通れない問題である.さらに苦痛である以上,心理的な側面が表面化する場合が有る.九州歯科大麻酔科と8年にわたって病診連携を行ってきた.これらの症例の経過,予後について報告し,歯科領域でみられる精神障害に対する考察を行った.その内訳はうつ病性障害,妄想性障害,PTSD,不安性障害,疼痛性障害,身体表現性障害,恐慌性障害などであった.DSM (Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)-IVはアメリカ精神医学会が編集した精神疾患の診断基準集であるが,上記の精神疾患の分類はこの診断基準に従った.これらの診断基準を示し,うつ病性障害,妄想性障害,PTSD,疼痛性障害の症例を提示した.病診連携の延長上に麻酔科と4年間にわたって口腔心身症の勉強会を行ってきた.この結果として,歯科医にとって理解しがたいと考えられていた心因が主である病態も診断基準に照らし合わせれば共通の認識をもちうることが解った.元来精神科領域である患者さん,二次的に起こる不安,情動の不安定さに至った患者さん達も歯科と共有できる診断基準を利用することによって症状を緩和する手段がみつかり,解決に向かいうることが解ってきた.また,薬物療法について症例を通して解説し,比較的容易にとりかかれるBrief psychotherapyについても触れてみた.
- 2009-01-25
著者
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