タイッティリーヤ・ブラーフマナ3.8-9(アシュヴァメーダ部分)について
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概要
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『タイッティリーヤ・ブラーフマナ』(Taittiriya-Brahmana=TB)3.8-9は,古代インドの馬犠牲祭・アシュヴァメーダ(asvamedha-)の規定・釈義等を収録している.このテキストは,『シャタパタ・ブラーフマナ』(Satapatha-Brahmana=SB)13.1-3にあるアシュヴァメーダの規定・釈義の手本となったものであり,SBによるTBの伝承借用については,W.CALANDが1932年に発表した論文"A note on the Satapathabrahmana"(Acta Orientalia vol.10)の中で詳述されている.しかし,一方のTBの側で,アシュヴァメーダ伝承がどのように形成されたのかについては,未だ検討されていない.本稿は,そのTB・アシュヴァメーダ部分の記述内容を,(1)Satapatha-Brahmanaとの比較,および(2)実際にアシュヴァメーダを行う際の式次第との比較,という二つの視点から捉えなおす.これを通じて,後代の挿入ないし増広と思われる箇所をいくつか指摘していき,TB3.8-9のテキスト形成史の一端を推論する.
- 2008-03-25
著者
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