バングラデシュにおけるバルアイム教徒の結婚式の儀礼
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概要
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本論文ではバルアにおける,とりわけチッタゴングの,住民の結婚式の儀礼に焦点を合わせることとする.バングラデッシュにあるバルア社会において,2種の結婚式が見られる.花嫁の父のところで行われる結婚式は「チャランタ・ビヴァーハ」と呼ばれる.一方,花婿のところで行われる結婚式は「ナマンタ・ビヴァーハ」と呼ばれるのである.後者はバルア社会において流行っているのに対して,前者はイスラム,またはヒンドゥ地域において共通である.結婚式を恵まれたものにするために,僧侶が宗教儀礼を行なうようと要請される.花嫁と花婿が僧侶の祝福を受けない限り,結婚式は無効なものとバルアの人々が考えている.また,僧侶の祝福によって夫婦の新婚生活の幸福が保証されるとも考えられている.僧侶による儀式の後,社会義務および習慣として一般信者による結婚儀礼も行われる.バルア族の儀礼はバルア仏教に属しているが,バングラデッシュにある他の宗教儀礼と似ているところもある.とりわけ,ヒンドゥ教儀礼に似ている(本稿では詳細に述べられる)点が多く思われる.
- 2008-03-25