「市民性の育成を目指した社会科学習」 : 社会科における「読解力」の育成
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概要
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生徒全員が机を前に向け,一斉に教師から知識を伝授され,ひたすら内容を暗記し記憶を蓄積する授業は過去のものとなりつつある。今後求められる能力は知識を基盤としつつ,それらをもとに思考・判断する力,他者に発信し提言するための表現力,そして行動する力である。中学校社会科の目標である「公民的資質の基礎を養う」とは,生徒が社会を認識した上で,よりよい社会の創造に向けて貢献できる「市民的資質」を身につけることである。よりよい行動のためには,より合理的な判断をくだす必要があり,これは多面的・多角的な思考の経験の質に依る。さらに,意欲的な学習態度や学び続ける姿勢が大切で,これらを含めた「確かな学力」は,よりよく「生きる力」を知の側面から支えている。学習意欲から行動,態度までを含む「確かな学力」は,PISAの基盤であるキー・コンピテンシーの考え方と共通点が多い。そこで,「市民的資質」の育成を図るため,PISA型「読解力」の育成に焦点を当てた授業を構想し,生徒の論理的思考や思考の深まり,論述する力の成長に焦点を当てた授業を実践した。
- 滋賀大学の論文