台湾における日本アニメの海賊版ソフトウェアの購買行動に関する実証分析

概要

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本研究の目的は台湾における日本アニメの海賊版ソフト市場構造を明らかにし、海賊版ソフトの購買意思決定に関する諸要因を定量的に検証することである。海賊版商品の購買意思決定仮説は、拙稿(モンコンノラキット,2005;Harada,2006)にて構築した構造方程式モデルに依拠する。調査データは、台湾の私立大学生850人を対象に2005-2006年の間に実施した消費者アンケート調査結果である(簡易抽出法、有効回答数600人、有効回答率70.58%)。消費者の購買意思決定に影響する要因のうち、台湾市場に特有の環境要因(法制度とその強制力、商品流通状況、パーソナル・ネットワークなど)を究明するために、海賊版商品関係者に対して行ったインタビュー内容を考察した。分析の結果、台湾の大学生は、海賊版ソフトウエアを購入する際、価格ならびに非価格要因(知的財産権に関する法制度の未発達、パーソナル・ネットワーク内における海賊版に対する態度、製品属性に対する期待)の双方を重視し、日本アニメの海賊版ソフトウェアの購買を継続していることが確認された。