長寿のバイオ人口学と沖縄のスーパー百寿者の出現
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本では戦後、超高齢者(百寿者を含む)が莫大な増加をみせてきた。それとともに、この急増した弱者層をテーマにした論文も増えてきた。近年、超高齢者については多くの知見が得られてきたものの、超超高齢の、例えば110歳のような節目の年齢にまで達した人々についてはあまり明らかになっていない。最近、そのような人たちは、老年学者から「スーパー百寿者」と名付けられ、人数が増えてきており記述的研究が実施されるようになっている。本研究の目的は、長寿県である沖縄に住むスーパー百寿者層を詳しく調べることであった。沖縄の百寿者率は全国一であり、世界一の可能性もある。研究結果によると、スーパー百寿者のほとんどが105歳以上になると施設に入所しているが、後年になるまで既往歴はほとんどなく、100歳当時のADL得点では自立者として地域に住んでいたことがわかった。現在、沖縄で年齢が証明されている最高齢者は110歳の女性である。現在は寝たきりだが、事例研究によると、その女性は105歳までは自立した生活を送っていたことがわかった。薬を服用することもなく、105歳で肺炎にかかったのと83歳で白内障の手術を受けた以外は非常に長きにわたりいたって健康であった。スーパー百寿者は遺伝的にエリートであり、そのことが老化プロセスを延期する一方で、ライフスタイルも長命の要因になっていることが考えられる。