保育実習(施設)におけるプロセスレコードの活用 : 精神力動的な看護の視点を導入して
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概要
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児童福祉施設は,被虐待児の増加に伴い,心身にさまざまな問題のある子どもの入所が増えている現実がある。養護・保育の視点に加えて,メンタルケアに対するニーズはますます高まっている。保育所と保育所以外の児童福祉施設での保育士の専門性の違いの有無に関しては,明確化されていないため,筆者が経験してきた精神力動的看護の視点を導入して,施設保育士の役割や実際の援助を明らかにした。それは,精神看護学実習で自己洞察を深めるためのプロセスレコードの活用を,保育実習(施設)での導入を試みるためである。 この研究で,プロセスレコードに関しての事前指導から事後指導の結果と,学生の満足感との関連性を調べるアンケート調査でプロセスレコードの活用の有効性について検討した。結果として,肯定的に捉えている学生が79%あった。子どもとのかかわり場面において,自分自身の特徴や,陥りやすい傾向を知ることができている。 プロセスレコードの活用は,子どもと学生との関係でより踏み込んだ記録となり,学生自身の振り返りの中で自分自身の内面に気づき,自己練磨することで専門職としての自己を形成する一助になったと考えられる。
- 2009-01-31