保育実践者による「人-環境」への包括的理解 : アセスメントスキル・トレーニングへの構想
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概要
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戦後60年が経過した今日,社会の変化・変容は著しく,国民の生活は一変した。その変化・変容は,子どもを取り巻く環境を激変させ,福祉・教育・子育て等をめぐり問題が噴出し課題が山積している。それら課題の克服には,社会システムや制度・政策の変革を必要としている。一方,実践現場の変革も迫られている。とりわけ直次接支援にあたる専門支援者の力量が問われている。本稿では,研究対象を保育所で働く保育士に焦点化している。保育士をソーシャルワーカーとして位置づけ,子どもおよび家庭を「人-環境」の包括・統合的視点からとらえ,課題を抽出する力量をいかに獲得していくかを一大課題としている。そのための方法として,「ジェネラル・ソーシャルワーク」を基礎理論とし,中範囲概念としての「エコシステム構想」にもとづいて開発されたコンピュータ支援ツールを活用したトレーニング方法への構想を提示する。つまり本論考は,保育実践者が,「人と環境の交互作用」というソーシャルワークの基本視点をふまえた,アセスメントスキル獲得のためのトレーニングについて,その構想をまとめたものである。