黒毛和種の放牧条件下における排卵同期化一定時人工授精法による繁殖管理の省力化
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概要
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放牧条件下において、排卵同期化一定時人工授精法を活用した繁殖管理の作業性について検討した。黒毛和種55頭を用いて、(1)排卵を同期化し、定時に人工授精を行う排卵同期化区、(2)発情を同期化し、適期に人工授精(通常人工授精)を行う発情同期化区、(3)自然発情により通常人工授精を行う対照区の3処理に分けた。作業条件は、群または対象牛を放牧地から作業場まで誘導するのに必要な人数を3人とした。発情観察は原則として1人が朝夕の1日2回行い、朝の観察で発情が見られた場合のみ、人工授精(AI)の適期を判断するために昼も発情観察を行い、1日3回とした。AIは1頭につき1回実施した。供試牛1頭にAIを行うのに必要な人数は、排卵同期化区、発情同期化区、対照区がそれぞれ1.4人、5.1人、7.5人となり、排卵同期化区が発情同期化区、対照区に比べて有意に少なかった(P<0.05)。受胎率はそれぞれ38.9%、72.2%、47.4%であり、1頭を受胎させるのに必要な人数は、3.5人、7.3人、17.2人となり、排卵同期化区が対照区に比べて有意に少なかった(P<0.05)。以上のことから、放牧条件下における繁殖管理において、排卵同期化一定時人工授精法は対照区と比較して、労働力を約77%減らすことが可能である。
- 2008-12-25
著者
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山口 学
畜産草地研究所 山地畜産研究部
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林 義朗
九州沖縄農業研究センター
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木戸 恭子
畜産草地研究所
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林 義朗
畜産草地研究所
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山口 学
畜産草地研究所:(現)東北農業研究センター
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山口 学
畜産草地研究所
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