サトイモのプロトプラストの単離と培養
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は、サトイモの大量増殖法の基礎研究として、プロトプラストの単離法と培養法を確立するために行なったものである。単離については、浸透圧の影響を検討した。その結果、0.5Mのマンニトールで浸透圧を調整した酵素液で、4時間処理をした後、得られたプロトプラストを0.48Mのマンニトールの培地で培養するのが最適条件であることが分かった。次に、得られたプロトプラストを用いて諸条件を変え、培養細胞を制御することを試みた。その結果、培養中のプロトプラストでは、RNaseの活性の上昇、クロロフィル含有量の低下、葉緑体のでんぷん粒の蓄積、及び最小化等の脱分化の微候がみられた。なお、培地に添加するホルモン濃度を検討したところ、2.4-D 1mg/l,とカイネチン1mg/lを含む培地のプロトプラストが、最も脱分化が遅れていた。また、MS,NT,B5,B5-N2の各培地における細胞活性は異なっており、8P培地でのプロトプラストでは、かなり高い細胞活性を維持した。さらに、培地にα-トコフェロールを添加すると、溶媒となるエタノールの悪影響を打ち消す以上の効果がみられた。
著者
関連論文
- 145 イネ培養細胞系の凍結保存の前処理における凍結保護剤の影響
- 69 ファンセラーゼによるイネ科植物の葉肉プロトプラストの単離
- 137 サトイモのプロトプラストの単離と培養
- サトイモのプロトプラストの単離と培養