治療過程としてのカウンセリングにおける人格変容の研究(2)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
現在,7段階,7ストランズに分割され,評定の指標となっている過程尺度の妥当性と信頼性は既に研究が行なわれ,精度の高いものであることが報告されている。しかし,これは唐突に出現したわけではない。ロジャースはこの尺度表を作成する予備段階として,本研究で追試としてとりあげた研究を行ない,その信頼性と妥当性を十分に検証している。本研究も,飯塚銀次の日本語版にて評定したものがロジャースの直輸入ではなく,日本語化し,それなりに信頼性と妥当性をもったものであることを検証することが必要であったのである。この目的はサンプリングに若干原法と異なる所はあっても,それを補ってあまりある内容で証明されたと考えられる。これらの結果は,次の事柄を明示している。1.外部規準によって変量が違うと判定された6事例から,中期と後期からそれぞれ計24単位の標本が選ばれ,これの判定にこの尺度が使用された。結果はすべての比較においてロジャースの言及しているごとく"高度な信頼性"が得られた。また,変量の順位についても,カウンセリングの成功,不成功に対する外部規準と高い一致を示した。2.ここから,この尺度が今日ある姿よりももっと進歩した姿を示した暁には,人格変容や治療のみではなく,一般の人々の物の考え方に関する我々の見方,知識に大きな影響を与えるものになるに違いない。
- 東京女子体育大学・東京女子体育短期大学の論文
著者
関連論文
- 治療過程としてのカウンセリングにおける人格変容の研究 : 体験的応答の効果(2)
- 治療過程としてのカウンセリングにおける人格変容の研究 : 体験的応答の効果(1)
- 治療過程としてのカウンセリングにおける人格変容の研究-六- : 照合枠および価値観の変化について
- 治療過程としてのカウンセリングにおける人格変容の研究-五- : 体験過程と有機体経験
- 52. 不適応部員に実施したカウンセリングの効果 : プロセススケールによる人格変容の客観的把握
- 治療過程としてのカウンセリングにおける人格変容の研究(2)
- CMIにみる各種学校生の特質 : 効果的生徒指導の基礎