独居高齢者の生活と命を支える試み : 神戸市シルバーハウジング事業からの報告
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概要
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わが国が世界一の長寿国といわれて久しい。2007年4月,世界保健機関の報告でも,日本の平均寿命は82歳(男女計)で,世界一の長寿国であった。古今東西不老長寿を求めてきた人間にとって,目標に近づくめでたい喜ばしいことであるが,現実を見ると少子高齢化,生産人口の減少,核家族化等,高齢社会を支える基盤は弱く,今後危惧される面が多々存在する。特に単身高齢者が在宅で一人暮らしをするリスクは高い。2005年,世帯主が65歳以上の世帯の家族類型を見ると,単身高齢世帯27.2%であり,75歳以上では36.1%である。高齢単身世帯は今後ますます増加することが予想されている。阪神淡路大震災後,被災高齢者を対象に復興住宅として神戸市ではシルバーハウジングを大量に建設した。2007年において,神戸市のシルバーハウジングでは,入居者の4分の3が高齢単身世帯である。この高齢者のみが生活するシルバーハウジング事業において,在宅で最期まで生きがいをもってその人らしく生活ができるように,単身高齢者を支える一つのモデル事業にしたいと神戸市の関係スタッフは取り組んできた。筆者もシルバーハウジング事業の担当として,最近ではアドバイザーとして阪神淡路大震災後から今日までこの事業にかかわってきている。今回は,独居高齢者の命と生活を支える事業に取り組んできたシルバーハウジング事業を社会福祉現場職の立場から報告する。
著者
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