口腔・顎顔面領域で機能する新規陽イオンチャネル
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概要
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体液中でイオン化しているカルシウム(Ca^<2+>)は筋収縮,遺伝子発現調節,細胞増殖,神経伝達物質放出など多様な生理機能の調節にかかわっている。細胞内へのCa^<2+>流入経路としては,電位依存性Ca^<2+>チャネル,リガンド作動性チャネルと最近注目されているtransient receptor potential (TRP)チャネルがある。TRPチャネルをコードする遺伝子はヒトで28種類同定されている。TRPチャネルはTRPC (Canonical),TRPV (Vanilloid),TRPM (Melastatin),TRPP (Polycystin),TRPML (Mucolipin)とTRPA (Ankyrin)のサブファミリーに分類されている。口腔の感覚形成や機能にかかわるTRPチャネルもあることが報告されており,本総説ではひとつの細胞レベルでのCa^<2+>の分布,それを維持する機構,その生理的意義に関して解説する。