西日本における農業形態と農民層分解
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
改革後における日本農業の構造変化の性質と深度を検討するにあたり,まず改革が威力を発揮した北日本の大地主地帯のうち,改革をうけとめるにたる豊かな基礎をそなえている庄内平野を選び,改革後における農業のブルジョア的分解傾向とそのメカニズムとを明らかにし(拙稿「庄内平野における富農層形成をめぐる諸問題」昭和31年3月,土地制度資料保存会),次いで同じく北日本でも段階の低い仙北平坦について,この一般性がつらぬくにあたり余儀なくされる特殊性を若干指摘した(拙稿「農民層分解の段階的特殊性について」昭和34年10月,土地制度史学会大会にて報告,お茶の水書房刊「再生産構造と農民層分解」所収).本稿では,旧地主制下で,しかも資本主義のより強い影響により形成される西日本に特徴的な農業形態について,展開の特殊形相をとりあげる.
- 1963-01-30