精神障害者がソーシャルサポート利用を拡大するプロセスに関する研究 : 精神障害者のソーシャルサポート利用を促進するソーシャルワークのために
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,精神障害者がソーシャルサポート利用を拡大するプロセスを明らかにすることである.精神障害者共同作業所を利用している精神障害者を対象に半構成インタビューを行ない,M-GTAで分析を行った.M-GTAによる分析の結果,20の概念と3つのカテゴリー,6のサブカテゴリーが生成された.分析の結果,精神障害者は,ソーシャルサポートを「とりあえず利用」するなかで,分かってもらえることにより,ソーシャルサポートを利用してよかったと認識し,「ほっと安心」する.重要なことは,「ほっと安心」できることであり,このことによって,新しいサポートをさらに利用するという行動が起こる.ただし,「利用してがっかり」することもあり,新しいサポートの利用にはつながらないこともあることが明らかになった.また,利用しているサポートに対して「これで満足」という認識を持つと,現在利用しているサポート以外のサポートを利用したくなくなることもある.このことから,本人のことを理解すること,「ほっと安心」することを促進する支援を行うことが必要であると言える.
著者
関連論文
- 精神障害者がソーシャルサポート利用を拡大するプロセスに関する研究 : 精神障害者のソーシャルサポート利用を促進するソーシャルワークのために
- 精神障害をもつ当事者支援へのICF活用 : PSWへのスーパービジョンを通してみえてきた現状と課題
- 高齢者の「その人らしい暮らし」の支援に関する先行研究の検討(川崎医療福祉学会第43回研究集会)