SME格付けの概要と日本の中堅・中小企業市場における格付けの役割(第24回全国大会<共通論題「市場型ファイナンスと格付けの重要性」>)
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概要
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景気回復が6年目を迎え経営環境は好転しつつあるものの,中堅・中小企業の業績回復の足取りは重い。この要因の一つとして,経済のグローバル化,物流網や情報通信の発展など,中堅・中小企業をとりまく経営環境が大きく変貌を遂げつつあることが考えられる。地域的,物理的な商圏という考え方が,従来に比べ重要度を失いつつある中,こうした環境変化を好機と捉え積極的な事業展開をしていかなければ事業の発展は望めない。総合的な経営力を強化し,従来からのステークホルダー以外にも透明性の高い形で自社の実態を明らかにしていくことは,一つの有効な手段である。そうした意味で,中堅・中小企業にとっても信用力の実態を客観的に訴えることが出来る格付けの役割は大きい。スタンダード&プアーズは2005年末より日本の未上場の中堅・中小企業を対象とした「日本SME格付け」(以下SME格付け)の提供を開始した。本稿では,SME格付けの概要を論じると同時に,それが中堅・中小企業の発展と活性化にどのように貢献する可能性があるのかを論じてみたい。
- 日本財務管理学会の論文
- 2008-05-01