中華民国臨時政府樹立過程における王克敏擁立をめぐる特務部の動向 : 華北経済開発と浙江財閥
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿は1937年12月,北京に成立した中華民国臨時政府について,日本軍がなぜ政権指導者に王克敏を選んだのかという問題を,日本の華北経済開発と浙江財閥との関係に着目しながら考察したものである。Iでは政権樹立を指導した喜多誠一北支那方面軍特務部長が浙江財閥を利用して華北経済開発を進める構想を作り上げた経緯を検討した。IIでは喜多が浙江財閥の分断を模索する中で,王克敏ら経済的実力者を政権樹立に利用しようとしていたことを明らかにした。IIIでは喜多ら特務部による華北経済開発案が浙江財閥を華北に取り込む意図のもとに作成されたことを指摘するとともに,その計画を実現するために王克敏が迎え入れられたことを明らかにした。
- 2008-12-25
著者
関連論文
- 中国語文献 (特集 日中戦争をめぐる歴史認識) -- (日中戦争研究文献目録(2)日本語・英語・中国語文献(二〇〇八〜二〇一〇年))
- 日中戦争研究文献目録(2)日本語・英語・中国語文献(二〇〇八〜二〇一〇年) (特集 日中戦争をめぐる歴史認識)
- 書評 菊池一隆著 中国抗日軍事史--1937-1945
- 国立故宮博物院からの金属製文物の対日「献納」--一九四四〜一九四五年 (特集 日中戦争の時代)
- 軍事史関係史料館探訪(53)中国第二歴史档案館
- 中華民国臨時政府樹立過程における王克敏擁立をめぐる特務部の動向 : 華北経済開発と浙江財閥
- 書評 中国における華北「傀儡」政権史研究の現状--二冊の研究書から[郭貴儒・張同楽・封漢章『華北偽政権史稿--従"臨時政府"到"華北政務委員会"』 劉敬忠『華北日偽政権研究』]
- 『幻の日中和平工作』を執筆して--今井貞夫インタビュー (特集 帝国の周辺--対日協力政権・植民地・同盟国)
- [日中戦争関連]日本語・英語・中国語文献(一九九七〜二〇〇七年) (日中戦争再論) -- (書評と研究文献目録)
- 軍事史関係史料館探訪(49)撫順平頂山惨案紀念館
- 書評 余子道・曹振威・石源華・張雲著『汪偽政権全史』上・下巻
- 冀東防共自治政府の対日満「外交」--冀東政府解消問題の対応をめぐって (特集 帝国の周辺--対日協力政権・植民地・同盟国)
- 通州事件の住民問題--日本居留民保護と中国人救済 (日中戦争再論) -- (華北から南京へ--戦争の起源と拡大)
- 冀東防共自治委員会及び冀東防共自治政府の成立過程についての一考察
- 内田知行著, 創土社, 『黄土の大地 1937〜1945』, 2005年2月刊, 310ページ, 2,520円
- 書評 堀井弘一郎著 汪兆銘政権と新国民運動 : 動員される民衆
- 江南内陸河川の水運ネットワーク : 新型交通の発展を中心に(一九一二~一九四九) (特集 中国水利史)
- 馮青著, 『中国海軍と近代日中関係』, 錦正社, 二〇一一・一一刊, A5, 二七〇頁, 三四〇〇円
- 菊池一隆著, 『戦争と華僑-日本・国民政府公館・傀儡政権・華僑間の政治力学-』(汲古叢書 93), 汲古書院, 二〇一一・一刊, A5, 五一三頁, 一二〇〇〇円
- 華中特務工作の回想--梶野渡氏インタヴュー
- 「炊事場」からみた日中戦争 : 元陸軍伍長・杉浦右一インタビュー
- 冀東政権の財政と阿片専売制度