生態系保全における社会的諸条件への考慮のあり方 : 岩木川下流部のヨシ原を事例とした環境史による提言
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概要
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人為的影響強く受けながら維持されている生態系保全のあり方は、保全生態学の重要なテーマであり、多くの保全事業で社会システムとの整合性を図ることが求められている。しかし、環境保全の現場で、社会科学的な要因のモニタリングについて、事例をもとに十分な議論がなされてきたとは言いがたい。本稿では、青森県岩木川下流のヨシ原を事例に、地域社会が資源利用のしくみを変容させることが景観形成の大きな要因であることを、環境史的アプローチによって指摘し、社会システムと生態系の相互連関的なモニタリングの可能性を示す。また、外部者としての生態学者が生態系保全に関与する際には、資源の管理を担ってきた「権利」者に生態系保全が認知・承認されること、環境保全による地域社会への影響に考慮することが必要であることを示す。これらの社会的な側面は、社会科学的モニタリングの対象となりえ、自然科学的なモニタリングの結果とともに順応的管理システムに組み込まれることが望まれる。
- 2008-11-30
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