気孔の開・閉を司る孔辺細胞の情報伝達機構
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
気孔は一対の孔辺細胞から構成され,光によって開口し植物ホルモン(アブシシン酸,ジャスモン酸など)によって閉鎖し,植物と大気間のガス交換を調節している.孔辺細胞はシグナルとして作用する青色光をフォトトロピンを介して受容し,化学情報への変換,細胞膜H^+-ATPaseの活性化,内向き整流性K^+チャネルによるK^+の取り込み等の過程を経て気孔開口を引き起こす.一方,孔辺細胞はアブシシン酸や二酸化炭素を受容し,多くの情報伝達体からなるネットワークを通して,細胞膜陰イオンチャネルを介したイオンの遊離によって気孔閉鎖を誘発する.気孔の開口および閉鎖に関与する情報伝達因子,それらを制御する蛋白質リン酸化反応,さらに,独立した経路と考えられた気孔開口と閉鎖の両経路間のクロストークの解明が進んでいる.
- 植物化学調節学会の論文
- 2008-12-19