八重山諸島石垣島の陸水域魚類相
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概要
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Freshwater fish fauna was investigated in 9 major rivers in Ishigaki Island Yaeyama Archipelago Japan. The fish were collected by mainly using cast nets, gill nets and hand nets in total 44 sites distributed from river mouth to freshwater zone in each river. A total of 6,809 individuals representing 16 orders, 45 families, 155 species were collected in the twelve times survey from March 2002 to March 2008. In the grouping of freshwater, we found that genuine fre shwater fishes were 7 species, diadromous fishes 27 specie, peripheral freshwater fishe 121 species. Two pecies among genuine freshwater fishes were native and the remains 5 species were introduced by human beings. As most rivers have some constructions such as dams and diversion weirs, which block the locomotion of diadromous and peripheral freshwater fishes. The numbers of species in streams upper than crossing structures were less than that of lower streams. In the estuary, a mangrove trees was the larger, the more fish occurred. Therefore, a richness of mangrove trees should contribute to the variety of fish fauna. 本研究は, 八重山諸島中最も開発による環境変化の著しい石垣島の河川における陸水域魚類相を調査し, 個々の種の分布域を明らかにすることを目的とした. 調査を行った石垣島の9河川のダムや堰, 河口域のマングローブ林の存在を調べ, 河川環境と魚種数の関係について考察を行った. 2002年3月から2008年3月までの計12回の採集調査で, 16目45科155種, 計6,809個体の魚類が確認された. この地域には50種類を超える希少魚類が分布するとされており, 本調査においても環境省レッドリスト掲載種が計24種含まれていた. 淡水魚の生活型による分類では, 純淡水魚が7種, 通し回遊魚が27種, 周縁性魚類が121種であった. 純淡水魚7種のうち5種は移入された種であった. 河川の規模は小さく, 農業用や生活用水用のダムや取水堰が設けられた河川がほとんどであり, 通し回遊魚や周縁性魚類の遡上が遮られ, ダムや堰の上では魚種数は極端に少なかった. 石垣島にみられる豊富な魚種はマングローブ林の発達した河口域から汽水域に支えられている. 河口域のマングローブの林の面積が広いほどその河川の魚種は豊富であるといえた.
- 2009-01-30
著者
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神田 猛
宮崎大学農学部附属自然共生フィールド科学教育研究センター
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上原 聡
宮崎大学農学部附属自然共生フィールド科学教育研究センター
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澁野 柘郎
水産総合研究センター西海区水産研究所石垣支所
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神田 猛
宮崎大学農学部附属水産実験所
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