5.2.2 ダイナモとリコネクションの研究(5.2 プラズマ基礎科学への展開,5.プラズマ科学における高ベータ自己組織化プラズマ,<小特集>ITER時代における大学の革新的閉じ込め概念研究のあり方)
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概要
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スフェロマックでは,プラズマには最低エネルギー状態に向かう時間発展すなわち緩和過程が生じる.このため,スフェロマックはダイナモや磁気リコネクションなどのプラズマ基礎過程を研究するのに有利なプラズマ閉じ込め磁場配位である.ダイナモは流れや乱流などのプラズマの運動エネルギーを磁気エネルギーに変換する過程であり,磁気リコネクションはその逆,すなわち磁場に蓄えられたエネルギーが流れや乱流,そして最終的には加熱という形でプラズマの運動エネルギーに急速に変換される過程である.緩和過程の間にスフェロマック配位でダイナモの研究が可能である.完全緩和したスフェロマックは自由エネルギーが最低の基本的なプラズマ状態にあり,3次元リコネクション研究にはこの配位が有利である.ダイナモ,リコネクションともMHDで記述できるが,ここ数年の間に,実験における観測結果を理解するためには2流体モデルで現象を記述することの必要性が明らかになってきた.ITER時代におけるダイナモとリコネクションの研究は物理現象を2流体モデルあるいは完全な粒子モデルで記述することに焦点をあてることになるだろう.本節ではスフェロマックにおいてリコネクションとダイナモが果たす役割を議論する.
- 2008-11-25