4.1.2 トカマク装置での共同研究におけるEXTRAP T2Rの役割(4.1 欧州におけるトカマク研究に対するRFP装置の役割,4.核融合開発プロジェクトと高ベータ自己組織化プラズマ,<小特集>ITER時代における大学の革新的閉じ込め概念研究のあり方)
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概要
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スウェーデン・ストックホルムの王立工科大学アルヴェン研究所では,逆磁場ピンチ(RFP)装置EXTRAP T2Rとヨーロッパにおける他の実験装置との共同研究を通してMHD研究を行っている.EXTRAP T2Rに2004年から2006年の間に装着されたMHD制御装置は抵抗性壁モード(RWM)の能動制御の最前線を担ってきた.RWMの能動制御はRFP研究と先進トカマク研究における共通の研究分野である.EXTRAP T2Rの実験的研究は,トカマク装置,特にドイツのマックスプランクプラズマ物理研究所ASDEX Upgradeトカマクとの共同研究を主導してきた.この共同研究は,ASDEX UpgradeでのMHD能動制御を主な目的としている.MHDの能動制御はトカマクの高閉じ込め向上のために推進されている.実現可能なベータ値(プラズマ圧力と磁気圧との比)は新古典テアリングモードと圧力駆動型キンク不安定性により制限される.理想キンクモードは電流密度勾配か圧力勾配により不安定化されるが,プラズマを囲む導体壁の時定数程度でゆっくりと成長するので,能動的制御が可能となる.低アスペクト比トカマクでの高ベータ領域で圧力勾配により駆動されるRWMは,弱磁場側に局在した空間分布を持ち,弱磁場側に設置されたコイルにより安定化されることが期待されている.適切なフィードバックシステムにより,先進トカマクシナリオに於けるベータ限界を,導体壁のない場合のベータ限界よりも十分に向上させることが可能である.
- 2008-11-25
著者
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BRUNSELL Per
Alfven Laboratory (Association EURATOM-VR), Royal Institute of Technology
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Brunsell Per
Alfven Laboratory (association Euratom-vr) Royal Institute Of Technology