機械工学から医学へ,さらに情報工学へと挑戦する!(キャリアパス「生物工学研究者の進む道」)
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概要
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若年世代では科学技術への興味が希薄になっており,大学工学部への入学志願者数は1995年の約60万人から2005年には約30万人へと激減した.科学技術創造立国を標榜してきた日本の次代を担う人材の確保は憂慮される状況にある一方で,医,歯,薬学部などへの志願者数は増加している.学生の関心は低いが産業の技術的基盤となる工業分野と,関心の高い医療分野とを融合・発展させ,科学技術の将来的な人材不足を補う可能性が期待できる分野が,工学と医学との複合領域である.この工学と医学とに深く関わる医療機器の国内での生産額は平成18年に1.7兆円であり,世界では米国に次ぐ市場規模である.このように将来性が期待でき,かつ経済的にも世界への影響力が大きい工学と医学との複合分野に若い研究者・技術者が興味を抱くならば,それは歓迎すべきことであろう.彼らの興味を引く先行事例になることを願いつつ,企業の機械系技術者を経て医学系大学院へ進学し,現在は人工心臓に関連する研究に取り組んでいる自身の体験談を紹介する.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 2008-11-25