便座への立ち座りについての研究 : アームレスト付きトイレの効果について(<特集>トイレとバイオメカニズム)
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概要
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「アームレスト付きトイレ」の立ち座り動作への効果を調査した一連の実験内容を紹介,解説する.まず,最初の実験では,高齢者を対象に「手すりなし」「L型壁手すり付き」「アームレスト付き」を評価サンプルとして,官能評価,動作解析,筋電図解析,圧中心軌跡解析を実施した.その結果,「アームレスト付き」は,官能評価で3サンプル中,最も立ち座りがしやすいことや,立ち座り時の前屈角度,脚部の筋電位,足圧中心軌跡の左右変動が最も小さいことが示され,主観評価(官能評価)の面からも,客観評価(身体負担,安定性)の面からも優れる傾向が示された.次に,「L型壁手すり付き」「アームレスト付き」を評価サンプルとして,若年者を対象に行動観察(何も指示を与えずに用を足すシーンを模擬させ,行動を観察)を実施した.「L型壁手すり付き」では16.7%の被験者しか「壁手すり」を使用しなかったが,「アームレスト付き」では91.7%の被験者が「アームレスト」を使用することが観察され,「アームレスト付きトイレ」が高齢者だけでなく,若年者を含めた多くの人の使いやすさ(ユニバーサルデザイン)に寄与できる可能性が示された.
- 2008-11-01
著者
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小川 哲史
パナソニック電工解析センター株式会社
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岩川 幹生
パナソニック電工株式会社新規商品創出技術開発部解析評価技術開発部
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酒井 武之
パナソニック電工株式会社住建事業本部ドレッシング事業部
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岩川 幹生
パナソニック電工株式会社
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