アカスジカスミカメ産下卵の休眠卵率の季節的推移と休眠卵産下に関与する日長・温度条件
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概要
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アカスジカスミカメStenotus rubrovittatus (Matsumura)は,1980年代から,宮城県や広島県で水稲に斑点米被害を引き起こすカメムシとして重要視され(高橋ら,1985;林,1986),1990年代以降,東北地方や西日本各地でも本種による斑点米被害が問題になっている(中田,2000;高田ら,2000;田中,2000).その後も急速に生息地域を拡大しており,近年では北海道から九州にかけて全国的に発生が認められている(渡邊・樋口,2006).そのため本種は斑点米カメムシ類の重要種の1種とされており,その防除対策が急務となっている.本種は,イネ科植物の穎花内に休眠卵を産下し,休眠卵で越冬することが知られている(林,1986;飯村,2004).岩手県個体群では,日長が卵休眠に主導的な役割を果たしていることが明らかにされている(飯村,2004).しかし,アカヒゲホソミドリカスミカメTrigonotylus caelestialium (Kirkaldy)で報告されているように,温度など日長以外の他の環境要因が休眠誘導に関与している可能性もある(Kudo and Kurihara,1988;樋口・高橋,2005).そこで,本研究では滋賀県で採集した野外個体群雌の産下卵の休眠卵率の季節的推移を調査し,さらに,飼育試験で日長と温度が休眠卵産下におよぼす影響について明らかにした.本文に先立ち,本稿を校閲いただいた中央農業総合研究センター北陸研究センター樋口博也氏に厚く感謝の意を表する.
- 2008-11-25
著者
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