エリアーデ文学における宗教思想 : クリアーヌのエリアーデ文学論を通して
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概要
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今日、M・エリアーデの文学作品は一般読者の間でも親しまれるようになってきている。しかし宗教学の研究領域においては、エリアーデの文学者としての側面を主題とした研究はこれまでそれほどなされてこなかった。特に、エリアーデがシカゴに移住してから発表した後期の文学作品は、エリアーデの弟子であると同時に亡命ルーマニア人の同志でもあったヨアン・ペトル・クリアーヌと活発に意見を交換する過程でその構想が形作られていったが、そのような側面は従来のエリアーデ研究では看過されてきたといえる。本稿では、エリアーデ文学に関するクリアーヌの見解を手引きとしながら、小説家エリアーデの思想に着目することで、新たなエリアーデ像を提示することを試みる。
- 2008-12-30