『モヌメンタ』の成立と歴史家としてのシュタイン
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概要
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明治百年という一つのエポックを前にして、私どもはわが国の史学の発達についても、この百年の急速な成長をふりかえらずにはいられない。江戸時代までのわが史学史が、決して豊かなみのりにいろどられないものではなかったにしても、現在のわが歴史学界の多彩な成果は、いうまでもなく明治維新以降の西洋史学の摂取の結果によるものであり、なかんずく十九世紀ドイツ史学界の盛んな成果をとり入れることによって、科学として偉大な結実をかちえて今日にいたったことは、否定できない事実であろう。わが国最大の史料編纂機関である東京大学史料編纂所の事業をかえりみても、その出発動機は別として、ドイツにおける「モヌメンタ・ゲルマニアイ・ヒストリカ」の方法を参考に成長したことをおもうとき、この際、「モヌメンタ」の文字通りモヌメンタールな事蹟をかえりみ、十九世紀ドイツの生んだ最大の政治家であったフライヘル・フォム・シュタインを、歴史家としての側面からとりあげることは、決して意味のないことではあるまい。
- 駒澤大学の論文
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