臨床心理士養成指定大学院の院生が考える修了後に役立つ学習と体験
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概要
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本研究は,臨床心理士養成指定大学院の院生が,修了後に役立つと考えている学習や体験について明らかにすることを目的とした。そのため,臨床心理学専攻修士課程に在籍する大学院生58名を対象として,大学および大学院での学習や体験のうち,修了後に役立つと思う学習や体験について質問紙による調査を行い,自由記述式項目の回答についてKJ法による分類を行った。その結果,大学院生が考える修了後に役立つ学習や体験は,《演習や実習の体験》,《ケース検討》,《専門家としての社会性の獲得》,《心理学の知識やスキルの習得》,《日常生活から得られる経験・体験・知識》の5つに分類された。また,大学および大学院を通して習得しなければならないとされている内容のうち,「システムオーガニゼーションの技能」と「研究活動のための知識や技能」は,大学院生が考える修了後に役立つ学習や体験に含まれていなかった。この相違には,心理臨床活動を社会に位置づけていくために必要な臨床心理学の専門活動に関する意識の弱さが関係している可能性が示唆された。
著者
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