ego-resilienceが母親の養育態度に与える影響
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概要
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本研究ではBlockによる14項目からなるER89を使って,ego-resilience(ER)の高さが母親の養育態度や子育て意識,子どもの性格評価とどのように関わっているかを検討した。その結果,ERの高い母親は,子育てに対する後悔があまりみられず自信をもって子育てをしており,柔軟な養育態度を示していた。それに対して,ERの低い母親は子育てでイライラすることが多く,子どもをたたいたり,「バカ」「ダメな子」と子どもを傷つけるような発言をする傾向が強かった。またERが低い母親ほどうつ傾向が強い傾向がみられた。次に子どもを規則正しく生活させることがどのようにERと関係しているかを検討したが,ERの高い母親はさちんと規則正しい生活を子どもにさせる傾向があった。すなわちego-resilienceが高い母親は上手に子育てをし,精神的安定も高いといえよう。自己制御(EC)を適正な状態に調整する機能を担うego-resilienceを高めていくことが,育児ストレスの高い現代の母親の子育てを支援するにあたって大切な要因であることが示唆された。
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