子どもへの悩みからみた中年期母親の成長
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概要
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一般的に、子育ては親を成長させるという。では、子育ても終盤に近い青年期前期を迎えたわが子への悩みにどうむきあったことが、母親に人間的成長を感じられるものとなるのか。本研究では、4つの尺度「青年期前期の子どもへの悩み」「母親の対応」「母親の受け止め」「親の人間的成長」を予備調査で作成し、これらをもとに、大学生を持つ母親244名に質問紙調査を実施した。結果より重回帰分析を重ね、子どもへの悩みからとらえた母親の成長モデルのパスダイアグラムを生成した。以下のことが示された。青年期前期を迎えた子どもに対して、母親は、子どもの「対人関係」「勉学」「進路選択」、子どもが離れていく感覚である「離脱」に悩んでいた。悩みに対して、母親が積極的に「他資源」を活用し、子どもの味方として「支持」対応したことは、後によかったこととして「肯定」できて、人間的に成長したという意識全体を促進させる。母親が人間的に成長したという意識には、「柔軟性」「感謝」など4因子が見出せた。