日本ならびに韓国のハマダイコン(Raphanus sativus var. hortensis f. rahphanistroides)野生集団における葉緑体DNA変異(農学)
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概要
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葉緑体DNA領域のPCR-RFLPにより日本ならびに韓国のハマダイコン野生集団の遺伝的変異を解析した。日本の7集団ならびに韓国の1集団から計319個体を調査した。4集団由来の94個体について,3領域(合計4.0kb)のPCR-RFLPの結果,3個のハプロタイプが検出された。この3ハプロタイプはpsaA-ycf3領域をDdeIで切断することにより識別されるため,残りの個体はこの領域についてのみ調査された。調査した8集団のうち7集団において多型が観察され,そのうち4集団で3個のハプロタイプが認められた。全サンプルの遺伝子多様度は0.567であり,集団内の多様度は0から0.665の範囲の値を示し,その平均値は0.345であった。集団間の遺伝子分化係数は0.392となり,アロザイムや形態形質遺伝子に基づく推定値より高い値を示した。花粉流動/種子流動比率は1.142となった。この結果は,葉緑体DNAにおける高い集団間分化の程度が花粉と種子の散布距離の違いによるものではないことを示している。葉緑体DNAの遺伝的分化は,オルガネラゲノムの有効な集団の大きさが核ゲノムより小さいことに起因すると考えられる。
- 2007-12-25
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