大腿骨骨肉腫広範切除術後に膝rotation plastyが施行された1症例
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概要
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症例は27歳(経過観察最終時)。男性。左大腿骨骨肉腫広範切除術後に人工関節の緩みが生じ機能再建を目的に1992年4月膝rotation plastyが施行された。手術後理学療法における機能獲得の推移を後方視的に調査した。調査期間は1992年から1996年の4年間であった。患肢の関節可動域は術後20週でほぼ正常域に達したが,股関節周囲の十分な筋力の回復には20ヵ月を要した。術後14ヵ月で独歩を開始するも,骨癒合が完成するまでに約2年を要し,その間は坐骨支持つき長下肢装具を使用した。骨癒合完成後は足底のみでの荷重が可能となり,膝継手を伸展-5°から屈曲90°まで動かすことが可能となった。最終経過観察時ではスポーツ活動も可能となり,広範切除術後の機能に比べ高い活動性が獲得されていた。膝rotation plastyの術後理学療法では骨の癒合状況に応じた長期的な理学療法の介入が必要といえる。