中学校美術科における「デザインの定義」に関する一考察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
これまでのデザイン教育では,作品づくりや,色彩や構成といった基礎デザインの学習に重点が置かれ,生活をより豊かにしていくことや,自分たちの生活に生かすという,デザインそのものの役割や機能に対する視点が希薄であったと考えられる。概念が拡張し続ける一般的なデザインの認識と,変わらないデザインの学習との乖離の問題は,デザイン教育にとって一層の混乱を引き起こす原因となっているのである。そこで本稿では,「デザイン」が一般にどのように定義づけられているか,デザインの概念について再検討するとともに,学習指導要領の変遷を追いながら,戦後の中学校美術科におけるデザイン教育の位置づけについて明らかにすることで,デザイン教育の抱える課題とその可能性について考察するものである。
- 美術科教育学会の論文
- 2008-03-27