高齢者の生きがい感に関連する要因 : 大阪市A区在住高齢者の調査から
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概要
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大阪市A区在住の高齢者を対象に行った調査をもとに、高齢者の生きがい感に関連する要因を明らかにすることを目的とした。調査は、A区の社会福祉分野の委員会の各委員に協力を依頼し、近隣の高齢者、老人福祉センター利用者、高齢者学級参加者、介護保険非該当者向けのサービス利用者等という4つの対象群に対して質問票を用いた調査を実施し、回答を得た。分析対象者は303人となった。生きがい感は、現在感じている生きがいの程度を1項目でたずね、「高位群」と「低位群」の2つのカテゴリーからなる2値変数を作成した。分析は、生きがい感を従属変数とした二項ロジスティック回帰分析を行い、独立変数は分析ごとに要因を1つずつ投入した。調整変数は、年齢と性別を投入した。分析の結果、生きがい感高位群の特徴は、独居ではない者、主観的健康度が高い者、暮らし向きの程度が高い者、家族・親戚と会話をほぼ毎日している者、友人・知人と会話を週2回以上している者、社会的活動をしている者、学習活動をしている者、運動・散歩をする頻度が高い者、活動情報の認知度が高い者、人が集まる場がもっとあればよいと思う者であった。高齢者の生きがい支援の際には、独居の者に配慮すること、他者と交流できるような場を増やすこと、高齢者の要望にあった社会的活動や学習活動などの様々な活動の場を増やすこと、活動情報が適切に高齢者に伝達されるように配慮することなどに留意することが求められる。
- 和洋女子大学の論文
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