細胞照射用重イオンマイクロビーム(平尾幸久教授退職記念号)
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概要
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荷電粒子のマイクロビームは、個々の細胞に対して荷電粒子をミクロンの精度でしかも正確な数だけ照射できるので、低レベルの電離放射線の効果という問題に取り組むのに無比のよい手段である。粒子線治療において、重イオンは特に有効であり、低いLETの照射とは違っている。そこで細胞照射に向けた重イオンマイクロビーム計画が始まった。イオンビームは8MVタンデム型バンデグラーフ加速器によって加速された。5μmの穴と6μmの穴を持つダブルアパーチャーを用いて、42MeV炭素イオンのマイクロビームが少ないバックグラウンドで大気中に引き出された。このビームの飛程は水中で約80μmあり、十分に長い。10μmの透過型プラスチックシンチレーターと光電子増倍管とが引き出された粒子を良い効率で検出した。水平に保持された生物学的な標的を照射するために、新しい垂直ビームラインが取り付けられる予定である。
- 和歌山県立医科大学の論文