M&Aと組織文化の相性(<特集>M&Aの新潮流)
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概要
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企業のM&A (merger & acquisition,合併・買収)については、戦略・金融・財務論からの研究が多く、内容的にもかなり充実し蓄積が進んでいる。最近では、三角合併の解禁や投資ファンドによるM&Aに関係させた企業防衛策や企業統治からの論考も少なくない。しかし、M&Aの実質的効果を問題にすれば、M&Aの戦略的・計量的な経営的効果もさることながら、その持続的効果としての組織統合がより重要であることを看過すべきでない(林、1989)。モノではなく人の集団である企業のM&Aの7割は失敗しているとの指摘(産経新聞07.6.6)もある。そこで以下では、after mergerないしpost M&A managementの中心課題である組織統合を、組織文化の視点から考察する。