大腿骨頸部骨折患者の作業療法について : 住宅改修が必要であった事例
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概要
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我々は,大腿骨頸部骨折治療後に住宅改修が必要であった症例を報告し,住宅改修における作業療法士の役割を考察した。本症例の作業療法経過は,身体機能の向上を目指した時期と住宅改修をはじめ環境調整とその環境への適応練習を行った時期に大別された。住宅改修は,立つ・坐る,段差を昇る・降りるといった上下移動に関連する動作を安全に行うために,手すりの位置や段差高の調整など物理的環境の調整を要した。具体的には,すべての動作の運動負荷を最大運動能力の20〜30%程度に想定し,難なく動作を行えるよう配慮した。障害のある高齢者であってもADL能力が向上すること,生活の主体はあくまでも当事者であることから,作業療法士は,安全性に加え適度な刺激(負荷)のある生活場面の調整に積極的に関わることが重要であると考えられた。
- 西九州大学の論文