HLA半合致移植(兵庫医科大学医学会平成18年度学術講演会要旨)
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概要
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同種骨髄移植療法は,化学療法で治癒が得られない白血病などの難治性悪性血液疾患患者を救済する唯一の治療法として確立してきた.骨髄移植を行うには,HLA適合ドナーを必要とする.しかし,本邦においては,近年の少子化の影響もあり,血縁内にHLAが適合する移植可能なドナーを見い出すことは困難な状況になりつつある.このような患者に対しては,非血縁者間骨髄移植や臍帯血移植を行うこともできるが,コーディネートが長い,生着しにくいなど問題点が多い.それに対して,我々は,HLA半合致移植を研究してきた.HLA半合致ドナーから移植が可能になれば,血縁内でほぼ100%ドナーが見つかる.HLA半合致移植の最大の障壁はGVHDである.我々は,移植前後に発生するcytokine stormを抑えることによって,重症GVHDの発生を抑えることができるのではないかと考え,1)高容量steroid剤の投与,2)ミニ移植の併用という2つの方法で,HLA半合致移植を進めてきた.その結果,いずれの方法を用いても,重症GVHDの発症を許容できる範囲内に抑制できることが判明した.
- 兵庫医科大学の論文
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