三尖弁形成術におけるMC^3リングの使用経験 : コスグローブリングとの比較
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概要
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三尖弁閉鎖不全症に対する弁輪縫縮術に用いられる人工弁輪で,最近使用可能となったEdwards Lifesciences社製MC^3リングは,三尖弁の正常な三次元構造を復元できる人工弁輪である.2005年5月から2007年4月まで三尖弁閉鎖不全症を合併した心臓手術症例71例に対して,人工弁輪を用いた弁輪縫縮術を行った.2006年9月までは,Edwards Lifesciences社製Cosgrove-Edwardsリングを,2006年10月以降は同社のMC^3リングを使用し,それぞれCE群(33例),MC^3群(38例)とし,術後の三尖弁逆流の程度を比較した.術前三尖弁逆流の程度(重症度により0,0.5,1,2,3,4)は,CE群で平均2.8±0.67,MC^3群で平均2.6±0.58と両群間で差はなかった.両群とも僧帽弁手術を行ったものが1番多く,ついで大動脈弁手術であった.退院時の三尖弁逆流の平均値は,CE群で0.92±0.99,MC^3群で0.34±0.46であった.平均9ヵ月後の三尖弁逆流は,CE群で1.5±1.2,MC^3群で0.42±0.50であった.逆流の程度は両群ともに術前に比し有意に減少したが,CE群で遠隔期の再発傾向が危惧された.
- 特定非営利活動法人日本心臓血管外科学会の論文
- 2008-11-15
著者
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西川 大陸
国立病院呉医療センター外科
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泉谷 裕則
国立病院機構呉医療センター心臓血管外科
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澁川 貴規
国立病院機構呉医療センター心臓血管外科
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川本 純
国立病院機構呉医療センター心臓血管外科
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望月 慎吾
国立病院機構呉医療センター心臓血管外科
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西川 大陸
国立病院機構呉医療センター心臓血管外科
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