地方単独事業としての医療助成の終焉と新たな動き
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概要
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高齢化の息吹を感じる1960年代の後半,高齢者を対象とする様々な施策が登場する中で,地方は国に先駆け単独事業として「老人医療の無料化」を実施した.少し遅れ,国も地方の無料化政策を踏襲するかたちで「老人医療費支給制度」を創設した.これらの事業は,当時としては画期的な制度で,"福祉の象徴"といわれたが,やがて老人医療費の増嵩を招くこととなり,老人保健法の施行に伴い表向き終焉した.一方,乳幼児や障害者を対象とする「福祉医療助成」は,1970年代に地方で始められたが,国はこれらに手を染めることもなく,今日まで地方単独事業として存続している.最近,少子化の追い風を受ける乳幼児医療に新たな動きがみられる.