自我体験と素朴理論の関連についての理論的概観と予備的検討
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概要
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本論文は自我体験と素朴理論の関連を2つの観点から述べることを目的としている。第1の観点は、両者の関連を理論的に概観することである。ここで言う素朴理論とは、「心身問題」に関わる素朴な考え方-心身と「私」に関する考え方-のことをさしている。本論文において、素朴理論における既存の素朴生物学または素朴心理学の研究の流れの中に、心身問題に関わる素朴な考え方を新たに位置づける。その後、この心身問題と私に関わる考え方の発生や変化の過程に、自我体験が寄与しているという仮説を提起する。これにより、現在までの一連の自我体験に関する研究を、多くの研究の蓄積が見られる素朴理論研究の流れの中で捉えることにより、新たに得られる知見の可能性や新たに提起される研究の方法、それらの有用性と今後の展望が開けると考えられる。第2の観点は、心身と私に関する考え方についての質問項目を作成し、自我体験との関連を調べるものである。その結果、身体優位の自己規定、意識優位の自己規定の2因子が見出され、自我体験を経た深刻さや意味づけとの関連が示された。
著者
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