ペルシヤ・アラビヤ人のダル・チニ(dar-cini,シナの木、すなわち肉桂)という商品名について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
古来西方世界の人々が中国をシナと言った名称は,転じて中国に原産する商品,あるいは広く東方アジアに産する種々の商品名となっている。たとえば,陶磁器は中国の大名物で,西方の人々はchinaと通称している。ところが中国には産しないが,東方アジアの各地から伝播するので,西方の人々が古くよりシナという名称をつけた商品名も相当多く見うけられる。私は中世のペルシャ人とアラビヤ人がダル・チニと言った,肉桂を指す商品名をとりあげ,それが本来の中国産肉桂であったのか,あるいはそうではなかったのか,この点を考証することによって,東西通商史研究上の一資料を記して見たい。
- 桃山学院大学の論文