医学概論 : 日本の医療
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概要
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筆者は臨床工学科の医学概論を担当しており,この講義では,わが国特有の医療に関する問題点を取り上げ,これらから現在の医療はどの様なものであるかを講義し,学生諸君が本来医療はどうあるべきか,を考える資料を提供した.その内容の一部を川崎医療福祉大学公関セミナーで紹介した.ここで取り上げる医療に関する話題は医学書には記載されていないものに限った.江戸時代に,最初にわが国へ西洋医学が持ち込まれた経過から,わが国の医療がどの様な変遷を維て現在に至ったかを述べ,それに伴って生じた問題点を現在の視点から検討した.世界保健機構(WHO)は,わが国の医療水準を世界最高と評価しているが,評価の内容や,その世界最高の医療がどの様にして維持されているか,世界各国と比較検討した.その結果,わが国が世界に誇る高い医療水準は医療従事者の過重労働で維持されていることが示された.