沖縄県立看護大学におけるTOEICの活用 : 第1報
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概要
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学生の客観的英語力を把握することは英語講義をよりよいものにしていくのに必要な活動であると考えられる。平成16年5月、本学において初の試みとなるTOEIC IPを実施した。本研究の目的は、その実施状況を報告しながら、受験生のスコアを分析することにより受験生の英語コミュニケーション能力の現状を把握するとともに、受験生の感想を分析することにより今後のIPや英語講義のあり方を検討することであった。受験生24名のうち研究への活用に同意が得られた1〜4年生22名を対象にスコア分析をおこなった。また、全受験生を対象に受験直後にアンケート調査、スコア受領後に個人面接をおこなった。スコア分析からは次の3点が得られた。1)本学のIP受験生全体のスコアは、トータル、リスニング、リーディングのいずれをとっても全国の大学IP受験生の平均レベルに達していた。2)学年別のスコアを全国と比較したところ、本学1年生のトータルおよびリスニングが全国より有意に高かった。特にリスニングは、一部の海外経験のある高得点者を除いても有意に高かった。3)唯一、本学受験生のうち非海外経験者のリーディングスコアが全国平均より有意に低かったが、これは初めての受験で時間配分がうまくできなかったことによるところが大きいと思われる。受験生の感想からは、特に今後の講義のあり方にとって参考となるさまざまな洞察が得られた。TOEICの出題形式は現実場面で求められる速聴力や速読力を反映しており、講義においても、訓練形態をその形式に近づけそれに慣れさせるようにすれば、TOEIC受験に役立つだけでなく実践的英語力の養成にもつながるであろう。
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