森林ボランティアと山村住民との関係性に関する研究 : 近畿地方の森林ボランティア団体へのアンケート調査結果を中心に
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概要
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1990年代以降,森林ボランティア活動が活発化している。しかし,森林ボランティア団体が,その活動を受け入れる森林所有者や,活動地が所在する地域の住民と如何につきあっていくべきかといった議論はこれまで十分にされてこなかった。本研究では,森林ボランティアと,森林所有者及び地域住民との関係性の現状や意向を把握するために,近畿地方の森林ボランティア団体に対してアンケート及びヒアリング調査を実施した。その結果,多くの団体が,直接の受け入れ者である森林所有者だけではなく,地域住民との関わりを持ち,さらなる関係の深まりを志向している傾向があることが明らかになった。また,活動の継続に伴い,活動の受け入れが広がり,さらには活動を受け入れる森林所有者以外の地域住民との接点の増加へとつながっている様子や,地域の行事支援等コミュニティ活動を行うようになった様子も把握された。今後も,地域との関係性の深まりが続くならば,森林ボランティア活動は山村地域の森林管理や,コミュニティの維持に対し,大きく寄与し得る存在になるであろう。
- 2005-11-01