大工・工務店における主要構造材の採用状況とその調達方法 : 茨城県牛久市の大工・工務店を事例として
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概要
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近年,在来軸組工法の分野では,主要構造材への集成材の普及が進んでいる。また住宅建築業界においては,部材流通の短絡化など,流通の再編が生じつつあることが指摘されている。本論では,こうした動きが業界全体を通して一様に進展しているものか否かを検証するため,茨城県牛久市に所在する大工・工務店(住宅建築業者のうち年間建築戸数が50戸未満の階層)を対象とした聞き取り調査を行い,採用されている主要構造材の種類と調達方法について明らかにすることを試みた。その結果,年間建築戸数10〜20戸を境として,それ以上の階層では主要構造材に集成材や人工乾燥材を採用する例が多く,これより小規模な階層においては主にグリーン材が用いられていることが明らかになった。また部材の調達先としては,すべての業者が木材小売業者を中心としている。より大規模な階層において集成材や人工乾燥材が採用される背景には,「住宅の品質確保の促進等に関する法律」への対応という側面があるが,小規模層が部材を決定するうえでは同法への関心は高くない。
- 2001-03-15
著者
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