中山間地域直接支払い政策の意義と限界 : イギリス条件不利地域政策との比較検討を通して(統一テーマ:中山間地域の現局面と政策課題,2001年春季大会論文)
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概要
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本稿では,わが国中山間地域直接支払い制度の意義と限界を整理し,今後の運用のあり方を提起した。当該制度は農業維持や資源管理に対する集落の意義に着目した点においては,EU型とは異なる「日本型デカップリング」として一定の評価が与えられる。しかし,中長期的な食料政策との連関や定住対策という視座からは大きな限界をもつ。本制度の枠内でその実効性を確保するためには,地域資源管理の新たな担い手としての地域営農集団の形成,とりわけそのコア部分の創出と支援に焦点を当てた支払い金の運用が重要となる。次に,条件不利地域政策の長い経験を持つEUとりわけイギリスでの当該政策における近年の展開動向を考察する中で,わが国中山間地域政策においても直接支払い制度における今後の予算的増強のみならず,資源管理・経済・地域社会の一体的開発を担っていくパートナーシップ型の地域マネジメント主体の形成が検討課題となることを提起した。
- 2001-03-15
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